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ADHD(注意欠陥・多動性障害)

ADHDは治せる? 注意欠陥多動性障害の気になる治療の方法とは

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ADHD 治療

ADHDは多動性・不注意・衝動性を特徴とする発達障害のひとつです。ADHDは脳の機能障害のため完治することはありません。ADHDの特性は一生続きますが、社会生活する上での問題行動を軽減するために心理社会的方法と薬物療法がおこなわれます。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の気になる治療の詳細や学校や社会、家庭で行える方法を紹介します。

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まずやること! ADHDの診断を受ける

ADHD 診断できる場所

ADHDは先天的な脳の機能障害です。脳の神経物質の量が少ないために起きると言われています。ADHDの診断は病院で医師がします。心理士などの専門家は心理テストなどをすることができますが、診断は医師にしかできません。

ADHDは診断が出た後に治療を行うことが多く、病院や連携の施設で治療を進めていきます。また、病院などで行われた治療を学校や家庭でも引き続きしていく必要性が高いと言われています。ADHDの診断基準についてはこちら

ADHDの気になる治療法とは?

ADHDの治療では心理社会的療法と薬物療法がおこなわれています。療法とは生活をするうえで困難さを感じている人が対処できるようにすることです。心理社会的治療には学校や社会での生活をサポートする役割があります。

専門家の指導のもと学校、会社、家庭などで生活を送るための生活技術やコミュニケーションの取り方を身に付けていきます。薬物療法は薬の服用によって症状の回復をはかります。

以上の療法を行って、ADHDの治療を進めていきます。注意点はADHD本人や家族がしっかりとADHDの症状を理解していること。そのために治療が必要であると認識していることです。

心理社会的治療とは何?

ADHDでよく利用されている心理社会的治療には行動療法と認知行動療法があります。

行動療法

行動療法は目標とすべき行動と好ましくない行動の強化あるいは弱化といった行動の制御をします。一般には「学習理論に基づき、問題行動を適応的方向に変容させることを目標としてなされる諸技法の総称」と定義されています。

行動療法にはエクスポージャー法、曝露反応妨害法、行動強化法、モデリング法などがあります。ADHDでは行動強化法のうちのトークエコノミー法とタイムアウト法を使います。

■トークエコノミー法

ご褒美と罰を与えることで、好ましい行動がどのような行動なのかを示す方法です。

  • ①目標(きまりごと)を決める
  • ②努力する・実行する
  • ③ゴール
  • ①から③の流れで行います

具体的なアプローチとしては

  • ①目標

大きい紙に目立つようにやってはいけないことを書く

  • ②努力する・実行する

生活をするなかで守れているかどうか見守ると共に守れていないときは警告をします。

  • 再び望まれない行為をした場合はマイナス10点の減点
  • やってはいけないことを守れたらプラス50点
  • ③ゴール

100点たまったらご褒美を与えます。

ご褒美は

  • お菓子をもらえる
  • 好きなテレビが見られる
  • ゲームができる
  • ご褒美シールが貼れる

などの具体的で本人が喜ぶご褒美とします。

逆にマイナスのままであったら

  • 掃除をしないといけない
  • テレビが見られない
  • ゲームができない
  • ご褒美シールを没収

などの罰を受けます。

定型発達(普通に障害がなく発達すること)では目標をやり遂げた高揚感が得られるのに対し、ADHDなどの発達障害では高揚感が得られにくいためご褒美をもらうことで効果を得やすくなります。

■タイムアウト法

タイムアウト法はやってはいけない行動を起こした場合に罰を与える方法です。
決まりごとを守らなかったときに一定時間自由を与えず、同じ場所で過ごさせます。

具体的には

  • ①決まりごとを設定
  • ②タイムアウトする場所を決める

危険のないよう目の届く場所にするようにします。

  • 部屋の隅
  • 椅子
  • ③タイムアウトの時間を決める

子どもの年齢と同じ数の分数を設定するのが目安になります。
はじめてタイムアウト法を実施する場合は5分以内にします。

  • ④警告をする

好ましくない行動の前にやってしまいそうな素振りがあれば警告します。
「○○したらタイムアウトだよ」と伝えます。

  • ⑤好ましくない行動をとったらタイムアウトをします。
  • ⑥時間がきたらタイムアウトの終了を知らせます。

タイムアウトが終わってから注意をしたり、叱ったり、褒めたりするのはやめましょう。
注目を浴びることでご褒美になってしまいます。

行動療法は少しだけ努力すればできるものを目標にしないといけません。
高い目標だとクリアすることが難しく、失敗体験が重なり自己否定感が強まってしまいます。

周囲の大人は感情的に叱ったり、注意したりするのではなく、辛抱強く見守ることが必要です。
罰ではありますが、本人自身を否定しているわけではないことと、罰が終わったら怒っていないことをわかるように態度で示すことが大切です。

認知行動療法

認知行動療法とは行動療法と似ているネーミングではありますが、根本的な意味が違います。
行動療法は他人からの干渉を受けますが、認知行動療法は自分の内面に向き合うことで望ましい行為を獲得します。

本人が自分の状況や問題点、改善点を認識し専門家から促され、対応策を考えます。自分自身を振り返ることができる成人向けの心理療法です。

  • ①計画する力をつける

ものごとの優先順位をする方法を学びます。
ノートなどを利用してわかりやすく整理することで混乱をさけます。

片づけなどでは順序よくやることを列記することで、効率よく片付ける仕組みを知ります。

  • ②不注意にならず集中力をつける

集中できるような環境設定のしかたを学びます。
落ち着ける環境はどのようにして作っていくのかがわかるようになります。

  • ③正しい考え方を知る

ADHDの人は否定的な考え方の癖がついていることがあります。
偏りのない考え方を知ることで、抑うつ状態にならず自己肯定感を持てるようになります。

薬物療法とは何?

薬物療法は医師の指導のもと行われます。ADHDは治療して完治するものではありませんが、薬を引用することで不注意、多動、衝動性の症状を抑える効果が見られる人がいます。

そのため、服用している間だけ症状がおさまりますが、特性は変化がありません。副作用が出る場合がありますが、現在は安全性が高い薬が使用されています。

薬物療法とともに心理社会療法を組み合わせて、治療をしていくことが好ましいとされています。

参考ADHD(注意欠陥多動性障害)で処方される薬の効果と副作用について

その他実践されているADHDの治療とは?

その他にADHDで実践されている治療方法があります。
学校や社会、家庭で実践することでADHDの症状が軽減します。

環境調整

環境調整もしくは環境変容法と呼ばれるものがあります。ADHDの特性である不注意や多動のためいろいろな刺激を受けてしまって、物事に集中できません。注意が他に向かないように周囲の環境を整えることで生活がしやすくなります。

具体的には

  • 忘れ物リストをつくる
  • 学校の席は中央前方で先生の視線がわかるようにする
  • ものごとの手順を記した表を示す
  • 掲示物をしないなど室内をシンプルにする

などがあげられます。

ストレスマネジメント

ストレスマネジメントは主に成人に対して行われます。ADHDの特性により、ストレスをためやすくなっており、自分自身でストレスを解消できる方法を身に付けます。

具体的には段階的リラクゼーション法を用いることがあります。体を意図的に緊張させたり、リラックスさせたりすることで全身をリラックスした状態に導く方法です。

ADHDの治療で大切なこと

ADHDの症状を改善していくためには家庭や周囲の理解が大切です。また、自分自身の症状を知ることも時には必要になってきます。ADHDは生活の上で困難さがありますが、逆に強みもあります。

できないことを指摘され続けるのではなく、特別できることを知ることで自己肯定感が育ちます。過剰評価ではなく、その子・その人の努力や行為を的確に評価することが本人の自信につながっていきます。

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